ウミウシ |
情報としては 「Origin」 の 項目かとも 思いましたが 内容的には マメ知識 ということで こちらに掲載することにしました。 貝や 貝殻が 好きな人だと 既に知っている方も 多いかもしれないですが ウミウシも 実は貝の仲間だったりします。 海に 棲む貝は 大まかに分ければ 多板綱 腹足綱 掘足綱 二枚貝綱 と分かれ、そこから更に 細かく所属分野が 分かれていきます。 が、ここでは そのような 難しい話はナシで 浅く 浅く 行きたいと思います。 ウミウシは 貝の仲間と 言いましたが 分類的には 腹足綱 (巻貝のジャンルです) の中の 「 海に 棲むが 殻を持たない 」 裸鰓類 に 分類され、少し前に 触れた 翼足類 の クリオネとも 近縁にあたるようです。 ウミウシというと 個人により 好みが大きく分かれ、色が 多彩で綺麗だから 好きという人と、気持ち悪いという 感想を持つ人 と 分かれますね。 冷静に 簡単に形容して言えば カラフルな 巨大ナメクジ という所でしょうか。 微妙な例えか(苦笑) 種類豊富で 色彩 ・ 模様はとても華やかで 桃 ・ 紫 ・ 黄 ・ 青 他、大変 カラフル。そしてオス ・ メス同体で 頭部に一対の 触覚があり、この触覚を 牛の角に見たて 「海の牛 → ウミウシ」 となったようです。 漢字表記ならそのまま 「海牛」 ですが 一つ 呼び方を 間違えると 全くの別物になってしまうようです。 「海牛」 は 訓読みなら ウミウシ となりますが 音読みだと カイギュウ となります。 読みは どちらも 間違いでは無いですが 「 カイギュウ 」 と 読んでしまうと 分類上、哺乳類に属する ジュゴン や マナティーを 指すことになってしまいます。 ジュゴン ・ マナティー に関しては 「 海の人魚 」 などの 美しい例えを 良く耳にすることから カイギュウ とか言われると、ちょっと驚くけど 生物全体的な 和名の分類からいけば そうなるようです。 海つながりではありますが 随分と 違ってきてしまうようですね。 また 何故 ウミウシが 貝の仲間なのか 謎ですよね。 視覚的に、大抵の ウミウシの成体には 殻がないものが 多いです。 ( ごく一部には 殻持ちのものもいるようです ) が 生態的には 持っているのだそうで、孵化初期には 何と 巻貝を持って いるのだそうです。 調べた中で 最も驚いた点でした。 孵化当初は 貝を抱いて 浮遊しているのだそうで ( カメガイみたい ) 腹足綱 の ジャンル内に 分類されているのも 納得がいく話です。 ここでは 貝に絡めた話となっており、マメ知識程度でしか 扱っていませんが 興味が湧いた方は コチラへ→ sea-slug.com 初心者にも解りやすく 専門的に ウミウシについて 説明されています。 |
貝合わせ |
貝がつく 遊びといえば 平安時代の 「貝合わせ」 。 文献を見ていくと 「物くらべ」 という 花や 宝飾品等の 珍しいものを 見せ合い、どちらが 美しいかを 競うという遊びが あったようですが 意味合いとしては それと同様のものだったようです。 初期のものには 貝の内側に歌が書かれたものもあったようで 平安後期のものに 比べると 極々地味なものだったようですが 時の経過と 共に 大和絵などで 絵巻物の登場人物の絵が 入れられるようになったりと 華やかさを 増していったようです。 また 製作工程も 金箔を施してからの 絵入れだった為、大変高価であり 庶民の遊具というよりは 名門貴族の姫や 後宮に いる女性たちの間で 興されていたようです。 (後宮: 今で言う皇居。天皇 (帝) が 貴族の姫を 入内 ( 結婚し 住まわせる。婚姻後は 姫でなく 女御となる ) させ 女御の世話係 (女房) も含めた 大所帯で住んでいる。 部屋の名前が女御 (嫁) の 呼名になる事から 女房の局 (世話係の下宿部屋) も 含めると 部屋数も 相当あり 規模的には かなり 大きな宮廷。 また 内裏も 併設しているため 簡単に言えば 自宅兼職場といった雰囲気。江戸時代なら 大奥にあたる。) (内裏: 政治にまつわる 全業務を 行う場所。帝に仕える貴族が 帝の親衛隊的?な業務、及び 警察 ・ 裁判の業務など 国を 統治する全業務を 一拠点で 行っていた。 内裏で 働けてこそ 一流貴族の証だと 当時は 判断されていた。) 遊び方としては 今で言うところの 神経衰弱 (トランプ) の 貝殻版という例えが 一番近いでしょうか。二枚貝 (蛤など) に 絵を 施す際には 2枚ともに 同じ柄や、絵と 和歌が 対になったものが 絵入れされていたようです。 ルールは 神経衰弱とは 若干違うようですが 絵柄の合う 対の貝を どれだけ取得出来るか競い、勝敗?が 決まるような感じだったらしいです。 貝合わせは 平安時代から 江戸時代までの長期に渡り 使用されましたが 時の経過と共に、その内容も変わっていきました。 江戸時代頃になると 二枚貝が持つ 独特の特性 (同じ種の貝であっても 対の殻でなければ 絶対に ピッタリ合うことはない) を 婚姻の際の 夫婦の結束に擬え、華美な装飾を施して 婚姻の際の 結納品の一つとしていたようです。 |
家紋 |
家紋は 和的な 紋章 ・ マークとして 認識されていることも多く、代々伝わる 有名な家紋も 沢山あり (水戸黄門の葵とか) 昨今の 和ブームが 火付け役で、ちょっとした雑貨にも 家紋つきのものがあったりします。 和雑貨屋さんでは 手ぬぐいに 模様として印刷されていたり、和の文様をベースに 若い女性も 使えそうな 可愛らしいバッグや 小物なども 見かけます。 最近は オシャレ的な要素として 取り入れられることが多い 家紋ですが、その中には 貝殻モチーフのものも 存在します。 調べてみれば 家紋自体、結構広いジャンルから モチーフを作られており 季節や 動 ・ 植物など 様々あり、多彩です。 ということで 比較的 良く見かける中で 個人的に 好きな家紋を 下に 一部あげてみることに・・ |
左から・・ |
ということで、このあたりは 比較的、良く見かけるもので 珍しくもないけれど 貝の家紋は 何とも 微妙な感じだったりします。 個人的には いまひとつ ですが、2点ほど 紹介。 |
左から・・ |
イタヤガイが 兜の後面に見えるのは 私だけでしょうか。昔は イタラガイと 呼ばれていた?? でも イタヤガイと 表されている 家紋もあるので 違いがわからない 私の頭には 「?」 が 回っています。 家紋が出来た 時代を 考えてみれば 貝といっても 今みたいな お洒落な種は 当時 発見されていなさそうだし、三つ貝の貝は ホラ貝あたりが妥当なのか? と 想像を巡らす。 家紋も 揚羽蝶は平家、笹竜胆は源氏で 使われているので 戦出陣の 合図のホラ貝音と 関連させて 考えてしまいます。 そう考えると やっぱり イタヤガイが 兜に見えてきますね。 貝の家紋には その他、蛤などもあります。 画像の製造 ・ 販売元は http://www.efontshop.com/kamonlnk.asp になります。 |
生きる化石 |
オキナエビス貝といえば 沢山のコレクターがいる 赤い模様が 特徴的な 巻貝です。 が、この貝のルーツをたどっていくと・・ 今から 4億年前の シルル紀まで さかのぼっていきます。 シルル紀に 栄えたとされる オキナエビス貝、当時の姿から 進化する事なく 現代も 生存している貝。 そこから 「生きる化石」 と言われています。オキナエビスについては Origin でも 由来について |
少し触れていますが、時と共に 移ろいゆくものが 多い中で 変わらずにいるということは 奇跡に近いですね。 ( 右図は 私の所持する コレクションの ベニオキナエビスガイ です。 ご参考までに・・) |
学名について |
貝に限らず 生物には 学名がありますが、貝につけられた学名は 美しい単語が 多く 使用されています。 全ての分類は 分類学の父と呼ばれる 「 カール フォン リンネ・Carl von Linne 」 により 分類 ・ 命名されています。 生物の学名は 「二名法」 で定義 ・ 体系づけられ、属名と 種小名の 二つから成り立っています。いずれもラテン語、又は ラテン語化した 単語を用いており、属名には 名詞、種小名には 形容詞が 使用されて 個々に 学名がつけられています。 端的に 人間に例えるなら 属名は 苗字にあたります。
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